集計の基本

単純集計(GT表)とは — 分析より先に、必ずここを見る

単純集計(GT表)とは、調査票のすべての設問について、選択肢ごとの回答者数と構成比を1つの表にまとめたものです。分析の出発点であり、クロス集計や高度な分析に進む前に必ず確認する表です。

最終更新: 2026-07-26

この記事の要点

  • GT表の目的は「発見」ではなく「点検」。まず調査の失敗を見つけるために読む
  • 単一回答は合計100%、複数回答は100%を超える。合計欄で区別できるようにする
  • 選択率が5%未満・90%超の選択肢は、それ以上分析しても差が出ない

GT表を最初に見る理由

GT表は、クロス集計に進む前の点検表です。ここで見つけるべきなのは、示唆ではなく異常です。

  • 回収数が想定と違う設問はないか(分岐の設定ミスで、聞くはずの人に聞けていない)
  • 「その他」が異常に多い設問はないか(選択肢の作りが実態と合っていない)
  • 「わからない・あてはまるものはない」が3割を超えていないか(設問が難しすぎた)
  • 選択率が5%未満の選択肢はどれか(この後のクロスでは差が出ない)
  • 選択率が90%を超える選択肢はどれか(全員が選んだ=分析軸として使えない)

これらはクロス集計の段階で気づくと手戻りが大きくなります。GT表の点検に30分かけることで、後工程の数日が助かります。

単一回答と複数回答の違い

単一回答(SA)複数回答(MA)
聞き方1つだけ選ぶあてはまるものすべて
合計100%100%を超える
%の意味構成比(回答者の内訳)選択率(その選択肢を選んだ人の割合)
表への注記不要「複数回答のため合計は100%を超えます」を必ず添える

ベース(分母)の取り方

GT表で最も多い事故は、分母の取り違えです。全設問を全体n=300で割ってしまうと、一部の人にしか聞いていない設問の%が実態より小さく出ます。

  1. 1全員に聞いた設問:ベース=全回収数
  2. 2分岐の先の設問(例: 購入経験者だけに聞いた):ベース=その分岐を通った人数
  3. 3「あてはまるものはない」を除いて見たい場合:ベースを変えたことを表に明記する

各設問の表に必ずベースの人数を書いてください。「n=300」と「n=142」が同じ資料に並んでいて、どちらがどの設問か分からない状態が、後の議論を止めます。

点検のあとに読むこと

異常がないことを確かめたら、GT表からは次の2つだけを取り出します。

  1. 1全体の水準:「購入意向は42%」という基準値。この後のクロス集計は、すべてこの数字からの上振れ・下振れとして読みます
  2. 2分析に使える設問の一覧:選択率が10〜90%に収まっている設問。ここがクロス集計の表側候補になります

GT表そのものを報告書に何十ページも貼るのは避けてください。GT表は作業用の表です。報告書に載せるのは、そこから選んだ数枚と、クロス集計で見つけた差です。

よくある質問

GT表とは何ですか?

Grand Total表の略で、調査票のすべての設問について選択肢ごとの回答者数と構成比をまとめた単純集計表です。分析の出発点として、クロス集計や高度な分析に進む前に必ず確認します。

単純集計とクロス集計はどちらを先にやりますか?

必ず単純集計が先です。単純集計で回収数の異常・選択肢の作りの失敗・「わからない」の多さを点検し、問題がないことを確認してからクロス集計に進みます。この順を逆にすると、壊れたデータの上で差を探すことになります。

複数回答の合計が100%を超えるのは間違いですか?

間違いではありません。複数回答は1人が複数の選択肢を選ぶため、選択率の合計は100%を超えます。表には「複数回答のため合計は100%を超えます」と注記し、あわせて1人あたりの平均選択個数も確認してください。

選択率が5%未満の選択肢はどう扱いますか?

GT表には残しますが、クロス集計の対象からは外すのが実務的です。全体で5%の選択肢は、層別に割ると1桁人数になり、%の比較に耐えません。分析上必要なら、意味の近い選択肢と統合してください。

ベース(分母)はどう決めますか?

その設問に実際に回答した人数です。全員に聞いた設問なら全回収数、分岐の先の設問ならその分岐を通った人数になります。設問ごとにベースが変わるため、各表に必ずn数を明記してください。分母の取り違えは集計で最も多い事故です。

この手法を、実際のデータで試す

集計ツール(単純集計・クロス集計)

集計用データを読み込むと、全設問の単純集計を一括で出力できます。

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この記事について

書いているのは、データ集計・分析・レポート作成を専門に1,000件以上の案件を手がけてきた実務者です。内容は、分析ツールを実装する際に固定した計算仕様(式・丸め・除外規則・境界の扱い)を土台にしています。掲載している数値例は、合計・内訳・人数が整合するように作ってあり、読者が手元で検算できます。その手法で答えられない問いや、読み違えやすい点も本文中で明示する方針です。

公開: 2026-07-26 / 最終更新: 2026-07-26 / 執筆・監修: マーケティングアシスタント

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