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MaxDiff分析とは — 「全部大事」を終わらせる聞き方

MaxDiff分析(最良・最悪スケーリング)とは、多数の項目から4〜5個ずつを繰り返し提示し、そのたびに「最も重要なもの」と「最も重要でないもの」を1つずつ選ばせることで、項目全体の優先順位を数値化する手法です。

最終更新: 2026-07-26

この記事の要点

  • 5段階評価だと全項目が「重要」に寄って差が出ない。MaxDiffは必ず差が付く
  • 1セット4〜5項目、各項目が最低3回は登場する設計にする
  • 出るのは“相対的な”優先順位。「何%の人が買うか」は分からない

なぜ5段階評価ではダメなのか

「以下の項目はどれくらい重要ですか」と5段階で聞くと、ほとんどの項目が4〜5に集まります。価格も品質も安全性も使いやすさも、単体で聞かれれば全部「重要」だからです。結果として上位項目が団子になり、何を優先すべきか決まりません。

さらに、回答者ごとの評価の甘辛(いつも5を付ける人、4止まりの人)が混ざるため、平均点の比較そのものが歪みます。MaxDiffは「この中でどれか1つ」という強制選択なので、甘辛の癖が消え、必ず差が付きます。

聞き方回答者の負担差の付きやすさ向いている場面
5段階評価軽い低い(上に張り付く)項目が5個以下
順位付け(全項目)非常に重い高い項目が7個以下
MaxDiff中(1セット数秒)高い項目が10〜30個

設計のルール

  1. 1項目数は10〜30。これ未満なら順位付けで足ります。30を超えると回答が長くなりすぎます
  2. 21セットの提示数は4または5。3だと情報量が足りず、6以上だと読み飛ばしが起きます
  3. 3各項目の登場回数は最低3回、全項目で同じ回数に揃えます(出現回数が偏ると、多く出た項目が有利になります)
  4. 4セット数の目安は「項目数 × 3 ÷ 1セットの提示数」。20項目・1セット5個なら12セット
  5. 5同じセットに、意味が重なる項目(「安い」と「コスパがいい」)を入れない。回答者が迷います

スコアの読み方

最も素直な集計は、項目ごとに「最良に選ばれた回数 − 最悪に選ばれた回数」を出し、登場回数で割る方法です。この素点は −1〜+1 の範囲を取り、平均より支持の低い項目は負の値になります。順位を見るだけならこれで十分です。

報告用には、負の値のまま並べると読みにくいため、合計が100になる「シェア型スコア」に変換します。素点は負を含むためそのまま合計で割ることはできず、いったん全項目を0〜100の範囲に置き直してから合計100に揃える、という二段階の変換を行います。この変換をした時点で、値は「順位と間隔を表す相対値」であり、比率としての意味は持ちません。

シェア型スコアの例(20項目・合計100)
順位項目スコア読み方
1価格が手頃14.2平均(5.0)の約3倍。これは外せない
2肌に合う11.81位と僅差。同格として扱う
3香りが好み7.1上位群の最後
20パッケージのデザイン0.4訴求から外してよい

全項目の平均は「100 ÷ 項目数」です。20項目なら5.0。この平均線を引いて、上に出た項目だけを訴求候補にするのが実務的な使い方です。

MaxDiffで分からないこと

  • 絶対的な水準は分からない。1位の項目でも「全員が必ず求める」という意味ではありません
  • 購入率・売上は予測できない。項目の優先順位であって、商品の選好ではありません
  • リストにない項目は永久に出てこない。事前の定性調査で項目を洗い出す工程を省くと、結論は最初から決まってしまいます
  • 項目の言い回しに敏感。「安い」と「価格に見合う価値がある」は別のスコアになります

よくある質問

MaxDiff分析と順位付け設問の違いは何ですか?

順位付けは全項目を一度に並べ替えさせるため、項目が8個を超えると回答者が中位を適当に埋めます。MaxDiffは4〜5項目ずつの選択を繰り返すため、10〜30項目でも精度を保てます。得られる情報はどちらも相対順位ですが、項目数が多いときの信頼性が違います。

MaxDiffの1セットには何項目提示すべきですか?

4または5が標準です。3では1回あたりの情報量が少なくセット数が増え、6以上では回答者が全部を読まずに選び始めます。あわせて、各項目が最低3回は登場し、かつ全項目で登場回数が揃うように設計してください。

MaxDiffのサンプルサイズはどれくらい必要ですか?

全体の順位だけなら200程度で安定します。ただしMaxDiffの価値は層別の順位差にあるため、比較したい層ごとに100以上を確保するのが実務的です。層を4つ見るなら全体400〜600が目安になります。

MaxDiffのスコアは何を意味していますか?

項目同士の相対的な優先度です。合計100に変換した場合、全項目の平均は「100÷項目数」になり、それを上回る項目が訴求候補になります。スコアは購入率でも満足度でもないため、「スコア14.2=14.2%の人が買う」とは読めません。

項目は何個まで入れられますか?

実務上の上限は30程度です。それ以上になると必要セット数が増えて回答時間が延び、後半の回答品質が落ちます。項目が多すぎる場合は、事前に意味の重なる項目を統合するか、カテゴリごとに調査を分けてください。

この手法を、実際のデータで試す

MaxDiff分析ツール

回答データを読み込むと、項目別スコア・順位・層別の入れ替わりまで出せます。

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この記事について

書いているのは、データ集計・分析・レポート作成を専門に1,000件以上の案件を手がけてきた実務者です。内容は、分析ツールを実装する際に固定した計算仕様(式・丸め・除外規則・境界の扱い)を土台にしています。掲載している数値例は、合計・内訳・人数が整合するように作ってあり、読者が手元で検算できます。その手法で答えられない問いや、読み違えやすい点も本文中で明示する方針です。

公開: 2026-07-26 / 最終更新: 2026-07-26 / 執筆・監修: マーケティングアシスタント

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